10月30日に京都大学で食品ロス削減全国大会が開催され、佰食屋(ひゃくしょくや)を経営する中村朱美さんのパネリストに多くの関心が寄せられました。
佰食屋(ひゃくしょくや)とは
2012年に中村朱美さんによって立ち上げられた1日100食限定の飲食店で、京都市内に3店舗あります。
メインはそれぞれステーキ丼の店、すき焼きの店、肉寿司の店であり、いずれも国産牛や国産米のみ使用しています。
またランチのみの営業で、予約は電話は取り扱っておらず、顔合わせのみでの受付です。
今では連日満員の人気店舗にまで発展し、うち外国人のお客様は40%まで増加しているそうです。
なぜここまで人気が上がったのか
飲食店の常識を大幅に覆(くつがえ)したのがランチ営業のみということです。
その工夫はミシュラン掲載店と同程度の技術や味の商品を低価格で提供すること、また整理券を配布して回転率を上げ、外国人のお客様とも平等に接客をすることだそうです。
もちろん開業当初はお客様が少なく、余った食材の廃棄をなくなく行うことも多かったそうですが、色々と試行錯誤を重ねることで、次第にその味と価格の安さが話題になったそうです。
過去に日本経済新聞やNHKなどからも取材があり、人気店に成長したそうです。
中村朱美さんの思いとは
中村さんの父親は京都駅の近くのホテルのレストランのシェフで、母はそのレストランで接客をしていたそうです。
そのため幼いころから眠い目をこすりつつ、夜遅くに帰ってくる父親の帰りを起きて待っていることも普通だったため、両親からは「飲食店で働いたらあかんで。大変やから。」と言われ続けていたそうです。
しかし、元々食べるのが大好きだったため、そんな場所で働いている人が幸せになれないのはイヤ、何とかしなければいけないという思いが非常に強くなったのが、佰食屋経営への発端です。
今では
・ランチ営業のみ
・1日100食限定
・圧倒的なコストパフォーマンス
・電話予約は無しで整理券配布のみ
・全従業員が18時には退店で残業無し
・夕方以降の光熱費削減
・冷凍庫を所有しない
・年末年始やGWの長期休暇
・有休の完全消化やフレックスタイム制の導入
などを実現できたため、色んな所で表彰されたそうです。
まとめ
これは普通のサラリーマンでもなかなかできない、仕事と家庭の両立や環境への貢献、お客様への大好評を含む模範的な経営ですね。
トップのそういう強い信念がここまで大きな成果を作り、人の幸せを呼び寄せることができたということでしょう。
また中村さんには小さいお子さんもいますので、そんな中で今までの常識に基づく飲食店を経営するのはとてもありえないことだったかもしれません。
これがもし、男性の40~50代の経営者だったらこういう発想は無かったと思います。
執筆者の私も男性ですが、仕事である以上は自らのことを犠牲にしてまで仕事に取り組むことを常識と考えていたと思います。
特に個人経営の場合は、世の中の常識にとらわれない独特の発想が大きな成果を作り上げていくとも言われていますし、今後の経営も是非とも頑張っていただきたいと思います。